花を植える人

少女漫画でありがちな設定なんだけど、地味な女の子が校庭の花壇を人知れず世話なんてしてて、クラス1番の人気者の男の子に、なんて心の綺麗な子なんだ~って好かれちゃう設定あるんだけど、あれはまあ、本当に有り得ない設定なんですな。

 

男の子ほど見た目から入ると思うからクラス1の人気者、女の子選びたい放題の男の子が人知れず庭をいじってる地味女子に気が付くハズがないのである。

 

しかしだ、私は毎年この花の時期になると気になっていた。たまに車で通りかかる川沿いのコンクリ?採石?会社の前に植えられている花々が。わたくしは植物を育てる事も見る事もあまり興味がないので、たまに花壇に植えられている花はすべてパンジーだと思っているような人間だ。しかしその会社の前に植えられているのはそんな私でもパンジーじゃないな、と気が付くほど、色んな花が植えられているし、なんと言ってもバランスよく考えて植えられているのだ。

 

ギッシリ同じ花を植えているのではなく花壇全体で一つの調和になっているような、センスのいい花壇。こんな花壇はなかなかよそのお庭を除いても見た事がないように思う。何というか余白が上手い事ある感じのそれでいて明るくて、派手すぎず暗すぎずの見ていて疲れない心地よい花壇だ。

 

それでずっと気になっていた。こんな綺麗な花壇を世話しているのはどんな地味子だろう、とクラス一番の人気者になった事はないが、誰が手入れしているのかずっと何年も気になっていた。

 

その長年の謎が解ける日がやってきた。常に使用している通勤途中の道路が工事の為通行止めになったので通勤路を変えたのだ。毎朝その花壇の前を通るようになった。すると採石場の会社の人らしき、作業着にヘルメット姿の痩せた地味なおじさんが毎朝花壇で草を抜いているではないか。

 

ヨレヨレのおじさんがやっている所がまた萌える。そして見てくれ!見てくれ!って自己主張してこない花壇のように、この人もおそらく誰かの為とか、誰かに見てもらうとか、は二の次でただただ、土と草木が好きでいじっているだけの人柄が感じられる。

 

道路と会社の敷地の間の僅かなこの隙間がこのおじさんの憩いの場所なのかも。

 

というか私もこの花壇にいつも癒されている。工事は終わったけどもうこれからは毎朝ここを通勤路にして花壇と花壇を世話するおじさんに癒されよ。

 

そういう事で私は花壇と花壇を世話するおじさんに心癒されているから、あながち少女漫画の設定も全くないとは言えないと言う事だな。キャラクターがそろえば恋にも発展できる。うむ。現実は花壇を世話するのはおじさんで、それに心癒されているのはおばさん、って事でドラマにならないけどな!