犬の顔がみえる

昨日次男坊に柴犬の柄の下着の事を指摘されて急に高校生の時の事を思い出した。私は年頃の女の子が女の子としての感情を学んで行く時に全くそういう事に興味がなかった為、オシャレをする、外見を磨くという事にほとんど無頓着であった。

 

下着は姉妹や従姉妹やお母様からのお下がりで十分であり、それどころか誰の下着でも頓着しないので、洗濯から返ってきたモノは自分の所に入っていたらおばあ様のパンツでさえ履いていた。他人のモノと自分のモノの区別さえついていなかったのだ。

 

それで貰い物の下着ばかり着けていたので、胸が豊かな従姉妹が小学生の時に着けていたジュニアブラなるものを全く何の疑問も抵抗もなく高校2年生でも着けていたのだ。

 

その日はバスケの部活でみんなでいっぱい頑張って暑い日でもあったので汗でTシャツもビッショリ濡れた。体にペッタリくっついて気持ち悪い。汗で下着も透けてしまっている。急に先輩の1人が私の胸元を見て不思議そうに聞いてくる。

 

ねえ?何か犬の顔みたいのが真ん中に見えるんだけど?これ何?と言うと先輩から後輩から同級生からバスケの仲間がワラワラと私の胸元を不思議そうに凝視する。私は一体何が不思議なのかわからずに、曇りなきマナコで、うん。犬だよ。ブラの真ん中に犬の絵が書いてあるんだよ。可愛いでしょ。というとみんながビックリしてまた胸元を見て一斉に大笑いしたのだ。

 

マー!!それジュニアブラじゃん!!そんなの小学生しかしてないって!!とゲラゲラと腹を抱えてみんな笑うのだ。私は何がそんなに笑えるのかわからず、ただただ恥ずかしかっただけ。ぶっちゃけ可愛いワンコの顔も耳も愛らしくすごくお気に入りの下着だったので、みんながそういう下着を着けていない事に逆に驚いたのだ。

 

同じような事も数年前にあった。流石に結婚してからは、お下がりの下着ではなく自分で下着を買ってはいたがものごっつい安い下着で、キラキラとした下着売り場には気後れして近付ける事ができずにいたので、相変わらず世間の女人の下着の動向を全くキャッチする事なく生きていた。

 

パートさん達とご飯を食べていて、ある男の子が彼女の下着がセットモノじゃなかったのでその力の抜け加減で俺の事好きじゃないのかも、と思ったという話を聞いたけど、私笑っちゃった!下着なんてセットで買う人なんていないでしょ~(笑)と私が爆笑して言うとその場にいたみんながキョトンとして言う。

 

え?下着ってほとんどセットで買わない?私もセットで買うよ。私も私も。的な会話になるではないかっっっ。

 

顔から火が出る。そ、そういうものだったのかっっ!!みんなどこでそんな知識を身につけたのだ!!

 

その週に慌ててきらびやかな下着売り場に初めて下着を買おうと足を踏みいれて驚愕する。下着のセットはなんつーお高いのだ!!数百円のパンツを履きほとんどママのお下がりのユニ〇ロブラを着けていた私にはとても手が出せぬ。

 

ああ、何と女人は大変な生き物なのだ。私は化粧もしないしヒールも履かずかなり女人をおサボり申し上げているがいよいよ本当にこんなお高い下着のセットを身につけなればいけない事を考えると本気で女人をやめたくなってきた。

 

しかし笑われないよう、温泉用にでも数枚は買うべし、と2セットくらいを数年の内に奮発して買っておいたが、マジ温泉行く時しか使わない。

 

女人って本当に大変だ。でも下界のお友達は私の中身と外見がジュニアブラで十分な事をよく知っているのでプレゼントしてくれる下着は女人ギラギラしていない。

 

高校生の時に笑われた可愛いわんちゃんの下着と同じわんちゃんの下着はお気に入りだ。今まで女人をおサボり申し上げていたのだ。今更勤しんでも仕方が無い。このままおサボり申し上げよう。