いつまでもツレナイ

双子が口喧嘩している。娘の方が息子に言う。話のタネを変えないで!息子も叫ぶ。僕は話のタネ変えてない!

 

おそらく娘はどこかで聞いた話の趣旨、のシュシを種子と思い込みそれから転じて話のタネ、となったのだろう。それは使い方が違うよ、と意味を教えてあげると、息子がドヤ顔で僕は知ってた、と言う。お前様のドヤ顔くらい信頼できぬものはない。国語が得意な私であったが娘のように思い込む事は大変多い。

 

ダンナ・ハーンがスッと娘の算数のテストの間違っている箇所を私に差し出す。これ出来る?と聞くのだ。ゴクリ。全然わからない。しかしここはドヤ顔を決める。分かるに決まってるでしょーよ。鉛筆貸して。私も結局信頼できぬドヤ顔をする息子の母なのだ。わからぬ。

 

しかし、少しのヒントで出来たがな。(ヒントだしてもらったんかい…)小学生だった時は全く分からなかったが今考えると意外に簡単なんだな…あれだな、人の成長のスピードって個人差があるのに大概中学卒業までにスピードについていけれない人は置き去りなのだ。スピードに乗れる人、そのスピードより早い人は有利に世間を渡れるが私や私の子供達は全く不利である。

 

しかし私は高校くらいではそれなりのスピードが出始めたのか私が就職クラスを選んだ時、お前が大学行かなかったら誰が行くんだ、と言ってくれる先生もいたけど、私マジ勉強してなかったから勉強する、という事がいまだにどんなんかわからない。私の脳の番人は非常に偏った変わったお方で、興味の幅が広いのに人気のない分野ばかりに脳の回路を使わせて、他の事に一切回路を使わせてくれないのだ。

 

宇宙物理学の研究をしているYくんが望遠鏡を使わせてもらうのにはまず使わせてもらいたい研究の申請をしてそれが通ってやっと少しの時間使わせてもらうと言っていた記憶が蘇る。

 

私の脳ももう少し色んな分野、人気の分野に頭の回路を使わせてはくれまいか。だから変人、天然ボケ、アホ、社会不適合者、という栄誉ある名を欲しいままにしているのだ。

 

そういえばYくんが言っていた事でもう一つ頷ける事があったのだが、Yくんはしたい研究の要望が通るようにその要望書?かなんかわからぬものを書く時は夜書く、と言っていた。

 

夜は何だかちょっと気恥しいような熱い文章が書ける、朝になって読み返すと恥ずかしくて破り捨てたい衝動に駆られる熱い文章くらいで申請するには丁度いいから、みたいな事を言っていた。

 

その気持ちはチョーわかるがな。私もYくんあなたへの手紙を何通も何通も夜書いては朝読んで、なんじゃこの読まれたら爆死1000回するわ!!っていう手紙わ!!っていう手紙を何度破り捨てた事か。それで結局1通もYくんの手元には届かなかった。

 

今となったらそれでよかった。あの時代にLINEもSNSもなくて本当によかった。LINEで軽く流してしまった気持ちは本当に伝えたい気持ちだろうか?というか伝えなくてもいい事ばかりじゃないか?あの時にLINEなんてあったら私は永遠にYくんから卒業できなかった。

 

LINEをやっていないYくんとは今、年に1度年賀状のやり取りをするくらいだ。LINEをやっていないYくんはとてもYくんらしい。研究と家族の事しか頭にないのだ。とってもYくんらしい。

 

LINEなんかやっちゃって、たまにはみんなで飲み会しようぜ〜いぇーい!って入れてくるようにYくんがなったらそりゃもうYくんじゃないもんね。まあ、そんな感じでそろそろ私を幻滅させてくれてもいいのだけども…いつまでもツレナイのだ。