トッポジージョ

本社のトッポジージョさんに電話する。何コールしても全然誰も取ってくれない。諦めて30分後にまた掛けるもやはり繋がらない。それでやっと気が付いたが本社は今日祝日なのでお休みなのであった。

 

何だかなあ…同じ会社なのにおかしいだろ….というか祝日なんて問い合わせしようにも取引先も休みの事が多いのだから思いっきて工場も休みにしてくれ。

 

トッポジージョさんは話し方が何かネズミみたいにチャカチャカしていて声も高いので、私の中で勝手にネズミみたいに忙しい小さい男の人を想像していたのだ。ところが会議で初めて顔をあわせたらフツーサイズの若者だったのだ。まあ、向こうは驚いただろうけどね。いつも電話で話している女人がこんなにデカイ女とは思ってなかったろう。

 

電話の声とは誠にアテにならない。もうお辞めになられてしまったが、隣の課のパートのミズさんはそりゃあ恐ろしい程可愛らしい愛らしい話し方と声をしていたのだ。私が電話向こうのメンズだったら一体この女の子はどんな可憐な愛らしい人だろう♡とドキをムネムネさせていると思う。

 

ところがミズさんはなかなか珍しい肥え方をなさったお方でとてつもなく巨漢の女人であった。ぷっくらとか、ふくよかとかを通り越して本当に巨漢であったのだ。電話口で可憐な彼女に恋をしてしていたメンズが彼女に出会わなくて本当によかった。私は人にはいつまでもいい夢を見ていてもらいたいのだ。残酷な現実などいらない。…というか電話口で恋をしていたメンズがいたという所が既に私の妄想でしかないが。それにもしかして電話口の彼がめちゃくちゃ巨漢好きであった可能性もあるな。人の好みは千差万別だ。偏った妄想はやめよう。

 

声といえば、人には断然好みの声というものが存在する。私は女人でいったらかかりつけの歯医者の歯科衛生士さん、殿方で言ったらパスタくんの声がとても心地よく聞こえる。4年前にパスタくんが我が課にやってきてしばらくしてから、この子何ていい声してるんだ。声優になればいいのに。と思っていたら、パスタくんは声優オタクだった。趣味が声に出るのかもしれない、と訳もなく納得した記憶がある。今思うとその原理でいくと声優オタクは全ていい声の主になってしまうから何の納得材料にもなっていないが。

 

パスタくんももう異動する事になってしまったし、好みの声が聞けないのは本当に残念だ。声というと私は自分の話し方と声にひどくコンプレックスがある。低いし、舌足らずだし、よーするに頭の悪そうな話し方なのだ。実際悪いけど、頭。だから声がいい声の人は本当に羨ましい。

 

とりあえず本社が休みと分かったら途端にやる気が布団のように吹っ飛んだ。トッポジージョさんいいなあ。私も休みたい。というか本社勤めいいなあ。おらあトーキョーさで働きたい。って吉幾三みたいな事考えてボーっと工場へ行く。

 

デスクワークが眠くてたまらなくなったから、とパスタくんも工場での作業にやってきた。

 

お昼休みにユカワ美女とも話していたけど課で困った事があったらパスタくん、というくらい皆頼りにしていたのだ。居なくなるのは本当に痛手だ。

 

課の別の仕事を覚えるという事になっていたのに、課から異動になってしまったね、と笑いながら話しかけるが少し涙が出そう。江戸っ子ちゃんが下界に帰る時もえらく寂しかったがパスタくんが異動になると聞いて心細くなるのはそれだけ仕事を手伝ってもらっていたという事だ。自分では1人で何でもやってるつもりだった事に大分反省する。

 

今度からは私が誰かの助けになれるくらいは頑張ってやっていこう。

 

そんな前向きな事思いながらやる気がないので課の人全て残業しているというのに定時ダッシュするクソな私。誰かの助けになりたいがそれは今日の気分ではない。人は気分がのらない事をやってはいけない。それもこれもトッポジージョがお休みだったから、ひいては祝日が悪いのだ。

 

 

 

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