妖怪

暗くなった工場で手探りで電気を付けて梱包作業をする。1人だと仕事も捗るけど、独り言も捗る。

 

自分で笑ったり愚痴ったりしながら作業をしている。夜の工場で怪しい女人が1人でウケケッと笑ったりウーウー唸って怒っている姿を見たらきっと工場のタタリ神か、妖怪工場舐めし、かと思うだろう。工場舐めしって妖怪名は勝手に考えたのだけど。

 

それで作業を終えて鼻歌混じりに電気を決して事務所へ戻ろうと歩いてドアへ向かう。するとドアの横に置いてある暗闇の中のベンチがもそ〜っと動く。

 

うぎゃー!!!あまりの恐怖で人に聞かれてはいけない下品な叫び声を上げて飛び上がる。この場合誇張でなくてマジで飛び上がってしまった。妖怪工場舐めし!?オバケ!?

 

よく見ると夜勤の若い兄ちゃんがベンチで横になりスマホをいじっているではないか。向こうも気まずそうだが、こちとら誰もいないと思って1人でブツブツ喋っていたのを聞かれたのかと、気まずさを通り越し、オマケに世紀末のような雄叫びを上げてしまってすまなさ、MAX。

 

ご、ごめんなさい、驚いてしまって…と、暗闇スマホボーイに謝り社用車へ尻尾巻いて逃げこむ。

 

はあ〜、チビった。やはり工場の暗闇梱包作業は1人では止めておこう。

 

しかし、あのスマホボーイ仕事サボってたのか?人の事は全然気にならないないが、今日はちとムカムカしてきたぞ。こっちは一生懸命社畜してるのに、優雅にベンチでスマホ妖怪などに化けよってからに…

 

別に謝らなくても良かったな。うむ。しかし、本当に心臓が口から飛び出して慌てて拾うくらいはビビったよ…

広告を非表示にする