美しい世界

通勤途中、とある会社の前を通ると芝生が綺麗に生えそろっている所があって、そこはカラス達のご馳走場所らしい。朝はいつもカラスがお尻フリフリ芝生をじっと見ながら歩き回って、たまに芝生をつついている。

 

小さな幼虫か何かを食べているのかもしれない。カラスは嫌われものだけど、二本足で歩くのは人間と一部の霊長類を抜いたら、動物の中でも鳥類くらいで、その中でもカラスは人間ぽく歩く。

 

小さな黒い小人っぽくてかわいい。

 

小人と言えばあの名作白雪姫で、白雪姫は王子と結ばれてお城へいくとなったら今までお世話になった七人の小人達にあっさりお別れを告げてお城へ行ってしまうのだけど、あれはどうかと思うよ。

 

歯がいやに白くて胸板のぶ厚い頭の中身まで筋肉でできてシワ1本もないよなアホそうな王子と結婚して白雪姫は幸せになれたのだろうか。まあ、お金さえあれば幸せなど買えるだろうから、幸せになったのだろう。

 

お金さえあれば幸せも買えるし、目の覚めるような美しいものも見ることができる。最近それを実感する事があった。

 

甥っ子の運動会にて甥っ子が一生懸命走る姿を姉がスマホで見せてくれたのだが、本当に綺麗に録画されているのだ。

 

それでよく考えたら私のスマホも去年の夏に新しく買ったのだから画像がこんなに汚いのはおかしいとやっと気が付き(遅い)、それで姉が、わたし画面の保護フィルム高いの買ったから、という言葉で、あ、おいら、めちゃくそ安いのをケチってテキトーに貼ったから、画面よりフィルムが小さいし、汚く見えるのかもと気が付き(やっぱり遅い)、さっそくその足で画面の保護フィルムを買いに行ったのだ。

 

しかしだ、スマホの進化のスピードは早い。そして私の脳の老化も著しく早いから、今自分がどんな機種を使っているのか皆目わからない上に、おそらくその機種ピッタリの画面の保護フィルムなどすでに売っていない。何という切なさ、刹那さ。

 

という事でスマホさんの顔を見て、目と口と鼻の穴さえあっていれば何とかなるだろうと、スマホの目と鼻と口の穴の位置を確認する。うむ。スマホによって微妙に目と鼻と口の位置が違う。この子はこの位置だな、と金に糸目を付けずに高いのを買おう、と思ったが世の中金に糸目を付けない人種が多いらしい。

 

1番高そげな保護フィルムがぶら下がっていたと思われる場所には品切れの札がかかっている。ちっ。私がサイズの合わない汚いフィルムで我慢していた間にも(別段我慢していないし、画面が汚いのはスマホのせいだと思っていたけど…)世の中の大多数はガラスコート的なウン千円するようなフィルムを私を嘲笑うかのようにベッタリ貼っていたのかっっ。

 

仕方なく2番目くらいに高いフィルムを買って帰る。家についていつもは説明書など絶対に読まないが、そこそこ高いフィルムを台無しにする訳にはいかないと、念入りに読んで画面に貼る作業に入る。

 

そしてすぐに気がつく。うん。サイズ合わねえ….。デカすぎる。このスマホの画面は大きい方だと思っていたけど、今はこのスマホよりデカイスマホもあるのか。というかインチで書かれてもおいらわかんねえよ。何センチかけることの何センチって書いてよ。

 

しかしここで諦めてはいけない。この際、上の目と鼻の穴だけあっていればいい。下の口の穴はフィルムが無くてもいいでしょ。とまずは長さを短く切る。

 

そして問題は幅だ。びっみょうにはみ出る。サイドにピタッと流して貼っておけばいいでしょ、とそうしていたらピタッと貼れていないので空気が入って浮かんでくる。

 

そこからはチョッキチョッキと少しずつ切り過ぎないように格闘してやっと空気が入らない程度に画面が貼れた。

 

ああ、スマホを買ったお店ですぐにその機種ピッタリの高いフィルムを買ってその場でお店の人に貼ってもらうという妹みたいなお金持ち(←これで金持ち認定される妹も気の毒だが)になって、そうしていれば今日の無駄な努力などする必要もなかったのに…

 

そんな事を思いながら、スマホの画面を見る。

 

なっ、なっ!!なんて綺麗なの!!今まで撮った写真の画像も何て綺麗にみえるんだ!!ごめん。スマホ。君のせいだと思っていて。スマホの写真ってこんなに綺麗だったの!!

 

あまりの画面の美しさと明るさで目が潰れそう。うわ〜目が〜目が〜と、思わず部屋で1人ムスカ

 

うん。今度からはお金に糸目を付けないでおこう。やはりお金で幸せは買える。お金さえあればケチる必要なくこんな美しい世界が手に入るのだ。

 

白雪姫もアホそうな王子と幸せに暮らしたろう。七人の小人の事もそのありあまるお金で面倒みたのだろう、きっと。

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