まだあげそめし前髪の

テレビを見ていたらオタクの女の子達がオタクであるが為にスクールカーストの最下位にいた事が本当にイヤだったような事を言っている。

 

わたくしの年下の友人もスクールカーストなるものがあったと言うが、私達が学生の頃はそんなの無かったような気がする。

 

それともあったけど気が付かなかっただけなのかもしれない。あったとしたら間違いなく私は下位に位置付けられていたと思うがどうだったのだろう。

 

しかし大変だな。そうして考えるとわたくしも会社でカーストの下位にいるとはっきりとわかる。どんだけ頑張ってもパートはパートだ。だから頑張っても仕方ない、と割り切れれば言いが。よし、月曜から割り切ろう。何せ転職活動がうまく行っていないから、このまま一生パートなのかと絶望感いっぱい。めいいっぱい。

 

工場で梱包作業しているとヒキさんが話かけてくる。そこで絶叫系のマシンに乗れるか乗れないかの話しになる。

 

私は決して好きではないが、乗れないかどうか試したくて絶対乗ってしまう、と伝える。ヒキさんは俺は大好きだから、○○さん一緒に行こうよ、という。

 

そうですね。と軽く応えておく。しかしどうだろう。ご飯を食べに行くとか観光するとかなら男友達とも行けるだろうが、ディ○ニーとかユ○バとか遊園地なるものは恋人同士か家族連れか…そうでない既婚者の男女の友達が行っても気まずくはないだろうか。その気まずさを感じて笑いがこみあげる。

 

今回の梱包作業は荷物がそこそこ重量があるのでしっかりパレットに固定しておきたい。ラップでグルグル巻いて(この作業の正式な表現の仕方を知らない)バンドで固く5方向から念入りに固定する。

 

しかし腐っても腐りきっても女人のわたくしには力が足りない。親の敵のように力を入れてバンドを締める。ヒキさんに工場で使っているバンド締め機を見せてもらう。

 

そろそろマジでカッチョ様に買ってもらおうか。それからヒキさんがバンドをパレットの下に通すのを私が箒の柄の先にバンドを付けてしているのを見て、うちはこんなの使っている、と手作りでバンドをつけるようにしてある竹の棒を見せてくれる。

 

うむ。竹の棒も箒の柄もそう変わらないから、箒の柄で充分だな。しかし最近本当に心細くなった。はっきり言ってこの作業を手伝ってくれる頼れる正社員がパスタくんだけなのだ。

 

後の人は皆とても頼めるような雰囲気でも頼んでも嫌な顔をされてしまう。パスタくんだって永遠にこの課にいる訳でもないし、正社員の人には嫌われているだろうけど、わりとわたくしに理解を示してくれるカッチョ様もいつ課から出ていってしまうかわからない。

 

あ〜あ〜。海向こうに行ってしまったイクメンさんが早く課に帰ってこないだろうか。イクメンさんには何でも相談できるし、一緒に考えてくれるし、愚痴も聞いてくれる。イクメンさんが帰ってくるまであと2年。遠いなあ〜。それまでに転職活動うまくいきますように。

 

でも事務所でジットリ座って事務仕事してばかりよりやっぱり工場でこういう作業に明け暮れるのはそれはそれで楽しい。これで近くに大型の機械なんてあろう物なら興味津々でウハウハだ。

 

帰り際にキミドリくんが、珍しく前髪上げてるんですね、と声をかけてくる。ビックリ。よく気が付いたな。私は顔がデカイので少しでも小顔にみせようと前髪を下ろしているのだが、今日は梱包作業の根性を入れる為に前髪をピンで留めていたのだ。

 

こういう細かい事に気がつく人はモテるだろうな。別にキミドリくんモテてないけど。というか結婚してるけど。

 

しかし私ももう40になったし自分の顔でかくてイヤイヤ恥ずかしいきゅるりんぱ!何て若い子のように女人ぶってみても誰も何も気にも留めていないだろうから、これからは前髪上げて仕事しよう。

 

初恋の詩ではないが、この歳で前髪あげそめし。だな。初々しくも何ともないデカイ顔を晒して生きて行ってもいいな。歳をとるのも悪かあないね。何でもどうでもよくなるから。