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始まりで最後

実家に子供を預けてあるので仕事を終えてわたくしも実家のサナダムシになるべく鼻歌混じりに帰る。あっげぜ〜ん♪すえぜ〜ん♪子育て放棄〜♪と自作の歌。

 

自作の歌通りの行動をした後に夜のお散歩に行く。星が綺麗だ。月が西に傾いているから東の空の星が澄んでよく見える。実家は山奥だからもう涼しくて秋の虫がもう鳴いている。何だか切ない。夏終わっちゃうな。楽しかったから大分寂しい。

 

家でお風呂に入ろうと脱衣所に入るとおばあ様が服を脱いで入ろうとしている。お母様に、おばあ様がお風呂入ろうとしているけど大丈夫かな?と聞く。それというのも92歳。足腰弱って1人でなどとうにお風呂は入れないのだ。

 

でも、1人で入る気満々になっている。こんな事は珍しいらしい。もういつもお風呂に入れてもらうのをひどくめんどくさがるらしいのだ。

 

何だか可愛いな。お婆ちゃん、私と一緒に入ろう?と言ってお母様に入れ方を聞いてお風呂に一緒に入る。

 

おばあ様の体や頭を洗っていると、マーちゃんにこんな風に入れてもらえるのは始まりで最後かもしれんね、と笑って言う。いつでも一緒に入るよ、と言って少し涙が出そうになる。

 

確かに年齢的におばあ様と過ごす時間は限られたものになりつつある。わたしはおばあ様とお風呂によく入った方だと思う。湯船に浸かって他愛ない会話をしたものだ。大体、私の胸が小さくておばあ様に負けている話しでいつも笑った。今回も同じ会話で笑った。

 

湯船に入ろう?と進めたけど、もういいよ、気持ち良かった、ありがとうね、と言う。こちらこそありがとうだ。久しぶりにおばあ様と入れて楽しかった。おばあ様92歳のわりにはお肌スベスベだったしね。

 

お盆は同窓会がある。楽しみだ。もう何年も会っていない人達ばかりだ。というか一生のうちに後何回みんなに会えるのだろう。

 

それこそ誰かと何か同じ時を共有するほとんど全ての事が、おばあ様の言うとおり始まりで最後の事の方が多いのだろう。

 

だから会えるうちには会いたい人には会っていたいなあ。

 

 

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