イカ天

西の菩薩祖父母の家から子供達を引き取るべく、中間地点の水族館で待ち合わせをする。生き物を眺めるのが好きなのでもちろん水族館は好きだ。

大きな魚類が優雅に泳いでいるのを見るのもいいし、小さなイワシの大群が口をパクパクさせてイワシっぽく泳いでいるのを見るのもいい。

けれども今回はイカの水槽にベッタリくっついていた。隣の人が、イカはこんな風に泳ぐの。とつぶやいているが、まさに同じ事を心で私も呟いていた。

綺麗なヒレ?をヒラヒラさせてそれが白くて透明でとても美しい。水槽の下の方から仰いでみているので上部の証明に照らされて本当に天女みたいだ。イカ天女。イカ天。だんだん表現が美味しくなってきた。

同じようにクリオネの水槽にも釘付け。真ん中に赤い光を光らせてパタパタヒラヒラしている。隣りの人が家に欲しい!と言っていたがまさに同じ事を心で呟いている。

というかこういう自分の興味がガンガンにそそられる場所では子供を連れて歩く事を忘れてしまう。こういう状況下では私のストーカーになる次男坊以外とははぐれてしまった。

ま、じいちゃん達と一緒にいるっしょ!

旦那さんは私とは正反対でちゃんと皆で行動しましょう、というタイプなのでわたくしはいつも叱られるのだ。

わたくしはおしゃべりであるが観光となると辺りをキョロキョロしすぎて無口になるし集団から離れてしまったりするし、たまにはワザと集団から離れたりする勝手極まりない人間である。

そうなので観光は犬族とあまりしたくない。叱られるし感じ悪いと思われるから。だから最近観光に行った人々はみな猫族なのでとっても観光しやすかった。

今日は私以外は旦那をはじめ犬族だ。帰り際長男が買いたい物があると言うのでじゃあ皆でゾロゾロ行かなくても私と長男で行くから皆は先に駐車場で待ってて下さい、すぐに行きます。と言ったのに犬族は勝手に行ったら悪いと思うのだろう。律儀に別れた場所で待っていてくれたようだ。

しかしながら、猫の私は別ルートの抜け道からサッサッと駐車場へ息子と戻っているので、犬の群れを待ちぼうけ。

あまりに遅いので電話をするとさっき分かれた場所で待ってしまっていた、とおっしゃる。

くっ。すれ違い。これが猫の人々ならちゃんと伝えた通りサッサッと駐車場で待っていてくれただろう。犬族めんどくさ!!

会社でも食堂行く組は皆揃うまで律儀に待ってから食堂へ行くのだが、あの光景を目にしてわたくしは食堂へは絶対行きたくないと思ったものだ。だって、来るのが遅い人の事影でグチってるのを聞いてしまったから。それなら押し付けの皆で一緒ごっこしなければいいのに。

一言、先に行ってるね、でそれぞれの時間を尊重しあえばいいのに。

ああ、大体数が集団行動に慣れた人々に囲まれているとストレスがたまる。

今日のイカ天はそんな浮世のウサを忘れさせてくれるくらい美しかった…

夜寝る前にあの光景を何度も思い出して至福の気持ちで眠ろう。



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