ポッカリ白く

近くに塾なんか出来たので学校で学ばなければならないものに軒並みやる気をみせない次男坊をねじ込もうかと説明会に行く。

わたくしも妹に、おねえちゃんは生きていくのに何の役にも立たない技に秀でているよねと言われるとおり次男坊もそんな感じの残念な感じだ。

妹のいう生きていくのに不必要だと言われるわたくしの能力、人に秀でで虫、動物、魚、を採るのが上手い事。

ある時は1人だけガバガバザリガニをとり、魚を釣り、ヘルメットで雀を捕まえ、蝶、セミ、サワガニなどは売るほど採ってきた。

が、突き詰めれば生きていくのに1番必要な事ではないだろうか。わたくしは縄文人であったらそこら辺りの男よりモテモテだったであろう。

きゃ、マー様今日も1番獲物の数が多い。結婚して、となって縄文ハーレムを作っていたハズだ。まあ、わたくしは男でもないし、そもそもこの能力を活かせる時代や国には生まれとうないわ。

説明会で、塾の先生がこの塾はテストの点数だけでなく人として身につけさせたいシツケもしていくつもりです、とおっしゃる。入ってくる時は大きな声で、お願いします!!と言ってもらいます、という。

げげ。きたよ、きたよ、次男坊の1番苦手なや〜つ、が。私も苦手だけど。挨拶そんなに大事?まあ、大事としておこう。大事だけど大きな声が良くてどうして小さな声はダメなの。

挨拶のデカイ声は許されて、あとその他モロモロはデカイ声の人ってイラッとされやすくない?何で挨拶だけ特別枠よ?きっと声のデカイうちの長男は同級生にお前声デカイ!と舌打ちされているだろう。大体親の私が長男の声のデカさに参っているのだもの。

いやいやいや、ケチをつけてはいけない。ここはほら、キラキラ言葉もキラキラ行いも大嫌いな次男坊を崖から突き落とす気持ちで頑張ってもらわないと。

説明会の終盤、先生が熱い口調で逃げない子になって欲しい、と語りかけるがとうの次男坊机に突っ伏して…寝ている。すでに、嫌な事があると脳内麻酔が勝手に放出される能力を惜しみ無く発揮してマジ寝に入りそうだ。そうかキミはスタンド使いだったんだな、と感心している場合じゃない。つついて起こす。

隣で塾に入れる予定もない娘が、お兄ちゃんと双子の片割れである次男坊を甲斐甲斐しく世話している。今、ここの説明だよ、とパンフレットを指差ししている。おそらく1番話しを真面目に聞いている。多分母親の私よりも。

うっ。涙が。人とはなかなかバランス良く持って生まれないものなのだなあ。体験入学の申し込み用紙をサラサラ書いている他のお母さん方に混じって鉛筆ひとつ持って来ていない自分は次男坊そのものだと、また涙が。そうか、説明会とかって書くものいるんだ、へへ。

という事で先生の胸ポケットから貸して頂いた、気持ちも物理的にも温かいペンで一応体験入学を申し込んでおく。

でも、心配だ。何が心配って、筆記用具を完璧に揃えて持ってきて下さい、という。鉛筆も消しゴムも多分オヤツ代わりに食っちゃってるよね?というくらい無くしてくる次男坊にはまずはそこからのスタートだな。

帰りには美味しい和菓子を買い、ラーメンを食べに行く。とっても青空が澄んでいるので恐ろしく美しく遠くに煙を吐いているお山が見える。なんて綺麗なんだ。雪をかぶって青い空に白くポッカリ浮かんでいる。

子供達と車を止めて眺めて写真を撮る。

色々悩みはあるけど、美しいものに感動する事ができる心がさ一応うちの子達にも備わっているから良しとするか。

まあ、一番の感動しすぎ屋さんというか感動を通り越して年がら年中一日中情緒が安定してないんだな、てくらいすぐに心が動かされてニヤニヤしたりシクシクしている私みたいにはなって欲しくないけど。





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