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トラトラタンタン

1年に一度だけの楽しみ、大鍋で実家の母が作った小豆から煮たぜんざい、サイコー。

お餅を好んで口にしない私だが、この実家のぜんざいだけはお餅との相性抜群。何杯でも食べられる。その実家から少しだけ分けてもらったぜんざいを家では下の息子と私しか食べない。ライバルが少ないのは良い事だ。2人で美味しい美味しいと言って食べる。

しかしとうとうその日が来た。どう考えてもあと1人分しかぜんざいがない日を今朝迎えた。本当ならもうないよ、とウソを堂々とこいて息子には食べさせずコッソリ自分だけで食べるのであるが(本当に親として恥ずかしい卑しさ)私は今日ランチに出かけなければならぬ。

ぜんざいを食べたらお腹がいっぱいでランチは食べられないだろう。涙を飲んで最後の一杯を息子に譲る。お母さんはいいからお食べ。的ないいお母さんを演じる。心の中では血の涙を流しているが。

だがこの息子、食べてる間にも落ち着きがない。立ってふざけてはまた食べるを繰り返しているので注意する。

ちゃんと座って食べないとかーちゃんがチューヘイのぜんざいを虎視眈々と狙っているんだからね!虎視眈々ってわかる?虎がみる、と書くんだよ。虎が獲物を狙う目で機会を伺ってるんだよ、ぜんざいに飛びつく瞬間を狙ってるんだよ!

と言って脅す。意味が分かったようで大人しく座って食べはじめる。しかし彼は虎視眈々の意味は分かったようだが言葉は間違えて憶えたようだ。

かーちゃん、かーちゃんがトラトラタンタンしても今は僕はぜんざいを守っているからね、食べさせないからね。

コシタンタンだよ!といってもトラトラタンタンが気に入ったようで何度もかーちゃん!トラトラタンタンできないからね!とニヤニヤ笑いながら言っている。

すぐに意味を理解する能力にはかなり長けているのだが、この息子私と一緒で名前とか呼び方にはかなりのボンヤリ記憶を発揮するのだよなあ。

ランチは非常に珍しく会社のパートさん達メンバーだ。お休みまで会社の気を遣うメンバーとご飯を食べるのはあまり気が乗らないが、今回は2歳児もくる。ちっちゃい子好き♡

2歳児との会話は楽しい。お花だよ、と渡すとハニャ、と言って踏みつぶす。ワンワンのウンチだね、バッチイね、と言うとバッチィネ、と言って踏みつぶす(これは全力で阻止したが)。

カラスを見ると、あ、カーカー、車を見るとブーブー。ブーブー上手にバックしたね、と言うとブーブー、バックね。と言う。

2歳児にはこの世は不思議な物で溢れているのだろうな。世界を見る幼い目の可愛くて興味津津な事。我が子の時は育てるので精一杯で疲れて相手してあげなかったけど、よその子の相手は責任が無い分本当に研究対象としてもかなり楽しい(おい)

家に帰り子供達が騒いでいるのを横目にウトウト。上の息子が2歳くらいだった時に何故か換気扇にハマって、換気扇を見るとカンキー!!とそれこそ歓喜していつまででも眺めていた事が思いだされる。

本当にこの世に生まれてまだ日の浅い人達は面白いなあ。彼らは異星人で地球人になる為に地球の情報を漏らさず記憶していくのだろう。そうしている内に自分が異星人であった記憶を忘れてしまって大人になる頃には世界が全て当たり前で好奇心を向ける対象じゃなくなってしまうのだなあ。

たまに異星人らしくいつまでも好奇心旺盛な人を見ると私はとても嬉しく思ってしまう。最近はそういうお友達が増えたから嬉しい限りだ。

そういうお友達と遊べる機会を子持ちの主婦として本当は自由が利かない身ながら隙あらば遊ぼうとトラトラタンタン狙っているのだ。

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