男性用制汗デオドラント3本

今日は爆弾の配線を切るのが間に合わず最後の手段で空に向かって爆弾を投げるという裏技を使って人々を救う。

翻訳すると、今日はタイムカードを読ませるのが間に合わず最後の手段でタイムカードの場所まで車を投入。駐車場に行く前にタイムカードを通すという裏技で自分だけ救う。

そして涼しい顔して始業時間とうに過ぎているのにおはようございます、と静かに席に座り仕事を始める。こういう時にはオロオロして遅刻した事を感ずかれてはならない。堂々と静かに、だ。

その堂々ぷりから、きっとみんな遅刻と思わずトイレで化粧なり腹痛で大きい方なりひねり出していたのだろうと、勝手に想像してくれるだろう。

そんなこんなで今日はしゃっきりと仕事をする。休憩時間に数人にに今日遅かったね、と突っ込まれる。バレてーら。

それから外遊から戻られた王族(出張から戻った部長)からもらったお土産をみなで頂く。なんだろう…うん、マズイ。

まだ食べていない面々にどんな味だったか質問される。白い方は鉛筆の削りカス、緑の方は消しゴムみたいな感触だったと伝えると、ていうか削りカスも消しゴムも食べた事あるのか?と突っ込まれる。うーん…カミカミした事くらいはあるけどそれを言うときっとみんなひいちゃうよね?

食べたとしたらこんな感じかな?っていう想像ですよ?と大嘘こいておく。

それから真面目に仕事をしていると、開発的な品物加工的な課の若君から電話がかかってくる。買いたいものがあるのだけど、買えるのかどうかの問い合わせ。何が欲しいのですか?と聞く。

男性用制汗デオドラント3本欲しいのですが、とその若君がのたまう。

私は激しく動揺する。今までいろんな品物の問い合わせはあったが、男性用制汗デオドラント3本の問い合わせを一度も受けた事がない。

それとも私は品物の加工とかにはまったくの素人であるからにして、何か加工するのに男性用制汗デオドラントが非常に役にたつのかもしれぬ。うん。確かにきっと何かこう加工しやすくする為なのかもしれぬ。

えーと、何でも発注できるからとりあえず注文入れといて下さい、と言って電話を切る。

だが、脳内はあの課の若君達が男性用制汗デオドラントをそのままの用途で使う妄想でいっぱいになりそうだ。まさか私物を会社のお金で買うわけないし、だとしたら堂々とそれが欲しいと私に言う訳がない。こっそり注文いれておくだけだろう。つまり、やはり品物加工的な何かに丁度良いのだろう。男性用制汗デオドラントが。

いや、しかし久しぶりに動揺した。て、昨日も男子トイレに入って久しぶりに動揺したから、昨日ぶりに動揺した。私だったらたとえ仕事で要るとしても果たしてあの若君のように淀みなく、なんの弁明もなくあのセリフを他人に言えるだろうか?

すいません。女性用制汗デオドラント3本欲しいのですが、と。

いや、言えぬ。よしんば言えたとしても弁明しまくり。

あ、あの、加工する時にモノを冷やすと加工しやすくなるし、フツーの冷却剤より全然安いから、制汗剤?的なものがいいなあー、と思いまして。あの、だから注文いれておきますから、買えそうになかったら連絡下さい。

くらいは長々と説明して、自分が使うのではないアピールガンガンしまくるだろう。

いや、きっと中身の90%がオヤジ、9%とが小学生、残り1%の乙女の部分が変に人とズレているからこんなに恥ずかしいのかもしれないが、フツーの人は別段淀みなく会社の人に男性用、または女性用制汗デオドラント3本ください、と言えるのかもしれぬ。

しかしなあ、すごく謎だ。一体何に使うのだろう。今日は夜も眠れなくなるくらい気になってしまいそうだ。と、もうお風呂も遠慮したいくらいに眠くなっているがな…